質問の要旨
- 選択的夫婦別姓制度を導入し、法制審議会の答申を法改正へつなげるのか?
- 夫婦の氏や旧姓使用をめぐり、戸籍、行政手続、民間実務をどう整合させるのか?
政府答弁
- 政府側は、夫婦の氏に関する制度は国民生活に関わるため、国民各層の意見や国会での議論を注視する考えを説明。
- 政府側は、戸籍や住民票などの制度と、行政・民間での旧姓使用に必要な対応を検討する考えを説明。
残った争点
- 制度導入の是非と、長期間実現していない法制審議会答申をいつ法改正へつなげるかが残る論点。
- 複数の氏を管理する実務負担を抑え、国内外の手続で本人確認の不一致を防げるかが確認点。
発言の流れ
制度導入と法制審答申
2発言○横山信一君 そういう答えになるんでしょうけれども、その国民世論を根拠にして死刑制度は廃止すべきではないというふうに考えるべきではないというのが私の今回の質問の意図なんですね。
ですから、多くの国民は、先ほど申し上げたように、この死刑制度、執行停止に関する勧告というのを知らないわけですから、だから、こうしたやむを得ないというふうな考え方になっている。あるいは、国際世論の動向が死刑執行停止に動いていると、そんな中で日本は取り残されているんだということも、まだ取り残される状況ではないかもしれないけれども、今のままでいくと取り残されていく可能性がある。そういうことを考えていくと、多くの国民に今の現実を知ってもらう努力をするべきだということを更に言っておきたいというふうに思います。
次に、選択的夫婦別姓について伺います。
この問題については、おさらいになりますけれども、一九九六年に法制審が制度の導入を答申していますが、社会情勢、世論が大きく変化しているにもかかわらず、いまだに法制化は実現していないと。多くの女性たち、経団連、労働組合からも選択的夫婦別姓の導入が求められています。国連の女性差別撤廃委員会からも、夫婦同姓の強制は女性差別の可能性があると勧告を受けています。
第六次男女共同参画基本計画に明記された通称使用法制化では、旧姓のみの単記使用にも法的効力を与えることになります。現状では、パスポート、運転免許証、マイナンバーカードは旧姓併記は可能ですが、単記はできません。これができるようになるということになります。
選択的夫婦別姓の実務的な必要性、先ほど打越先生が、そうではない、もっと根本的なことから言っていましたが、実務的な話をすると、仕事上の問題でこれで非常に不利益を被っている人たちにとっては、いわゆるグローバルに活躍する女性、こういう人たちが不利益を被るわけでありますけれども、通称に法的な効力があっても何にも変わらないわけです、今大変だと思っている人たちにとっては何も変わりはない、不利益のまま。旧姓併記による海外の出入国審査の際のICチップとのそご、これも解消されないと。
通称使用法制化は法制審議会の答申にどのように応えていることになるのか、平口大臣に伺います。
○国務大臣(平口洋君) 旧氏使用の法制化は、これまで政府が二十年以上にわたって進めてきた旧氏使用の拡大の取組をより一層進めるものであります。これにより、婚姻等による氏の変更によって社会生活で不便や不利益を感じる方を更に減らすことができると考えております。
これに対して、平成八年に法制審議会からその導入を内容とする答申がされた選択的夫婦別氏制度は、こうした取組とは全く異なる課題であると認識しております。御指摘のように、選択的夫婦別氏制度の導入を求める声があることなどは承知しておりますが、この点については、現在でも国民の間に様々な意見があるため、国民各層の意見や国会における議論の動向等をよく踏まえる必要があると考えております。
戸籍と行政・民間実務
4発言○横山信一君 昨年にも申し上げたんですけど、選択的ということが大事であって、要するに、別氏を選択してもしなくてもそれはいいわけです、選択的であれば。
ですから、別氏で不安を感じる人はそれは同姓を名のればいいのであって、そういう意味では、通称使用よりも非常に幅があるのが選択的夫婦別姓の考え方でありますし、通称使用を法制化したところで、先ほど申し上げたようなグローバルに活躍する主に女性の皆さん方の不利益は何にも解消されないということでありますから、こうした点を踏まえていただきたいというふうに思います。
通称使用法制化案では、民間事業者にも旧姓単記を使用できるよう努力義務を課すという方向であります。従業員が旧姓使用を求めた場合、マイナ保険証を始め社会保険や源泉徴収、所得税の徴収など、民間事業者は戸籍名と旧姓の二つの氏をひも付けて管理することになります。これは非常に煩雑になるというふうに思いますし、システム改修も必要になってくるんじゃないかということも懸念をされるわけでありますけれども、この点についてはどうなのか、内閣府の津島副大臣に伺います。
○副大臣(津島淳君) 御質問ありがとうございます。
法案については現在検討中でございますので、その点御理解いただきたいと思いますが、旧氏使用の法制化については、婚姻等による氏の変更によって社会生活で不便や不利益を感じる方を減らす取組の効果を更に大きくすることを目的としているものでございます。
旧氏の使用を推進することにより一定程度の事務負担等が発生することは想定され得るところでありますけれども、現場における事務負担等についても考慮しつつ、不便等の解消という大きな目標に向けて政府全体で検討を進めてまいりたいと考えてございます。
○横山信一君 法案はまだ出ていないですからこれからなんですけれども、通称が法律上の姓になると、各種手続において通称を使用する人が多くなることが予想されます。今まで使っていたものをそのまま使った方が楽ですから。そうすると、婚姻の際に決めた夫婦が称する氏、戸籍姓を使用する場面が少なくなってくるんじゃないかと。戸籍姓の形骸化、ひいては戸籍そのものの形骸化を招くことにならないでしょうかと。
むしろ、選択的夫婦別姓制度を導入して、氏が異なる夫婦も同一戸籍に登録できる制度の方が、日本人の出生から死亡に至るまでの家族、親族関係を公的に証明する基盤としてその意義を全うできるんじゃないかと考えますけれども、再度大臣に伺います。
○国務大臣(平口洋君) 戸籍は、日本国民の親族的身分関係を登録、公証する唯一の公簿でありまして、真正な身分変動の登録、公証を行うという重要な機能を有していると認識しております。
旧氏使用の拡大は、一組の夫婦及びこれと氏を同じくする子を編製単位とする現行の戸籍制度を維持しつつ、婚姻等による氏の変更によって社会生活で不便や不利益を感じる方を減らすものであると考えております。
また、厳格な本人確認に用いられる書類につきましては戸籍上の氏と旧氏の併記を求めるという検討は当然必要になると考えております。
したがって、旧氏使用の拡大によって先ほど述べた戸籍の機能等が変わるものではなく、御指摘のような戸籍の形骸化を招くものではないと考えております。