発言の流れ
政府備蓄米の運用
11発言○木下委員 参政党の木下敏之でございます。
本日も質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
今回は、お米の備蓄について伺いたいと思います。
戦後最悪の不作は、一九九三年でございました。作況指数は七四で、タイ米を中心に二百万トン以上を緊急輸入したわけでございます。このような大不作をきっかけにして始まったお米の国家備蓄ですが、現在の備蓄は、十年に一度程度の不作に対応できる水準となっているわけでございます。
今、皆さんのお手元に資料を一枚配付してもらっておりますが、一九二六年から二〇二五年までの百年間の作況単収指数の推移、そして、下の段の方は、過去百年と、それから一九四六年以降の過去八十年の間で作況が悪かった順に上位十年分をまとめております。
この八十年間で作況指数が九〇を切ったことが四回ございまして、また、戦後だけでも、一九五三年、五四年のように、二年連続して不作が続いたケースもございます。そして、過去に遡れば、江戸時代の大飢饉は、四年から五年、天候の不順、天候の悪化が続いたケースが大部分でございまして、本当に現在のように米の消費の一・五か月分程度の備蓄で大丈夫なのかと思います。
備蓄が、コストではなく、国家の責任で行う保険であることを証明したよい事例がございます。それが今回の原油の国家備蓄、その放出でございます。
一九七〇年代のオイルショックに対応して、一九七八年から原油の国家備蓄が始まりまして、現在では国内消費の八か月分の備蓄があるわけであります、そして今回、五十年たって初めてその効果が発揮されたわけでございます。私の推計では、現在価値に直せば、五十年間で十兆円を超える予算を投入していることになると思いますが、この備蓄がお米のように国内消費の一・五か月分しかなかったら、一体、今、日本はどうなっていたのかと思うと、ぞっとするわけでございます。
そして、ほかの省庁ですが、水害や津波については、国土交通省は、百年ではなく、千年に一度の規模を想定してインフラを整備するような方針に変わっております。
ところが、米の備蓄だけは、当初の二百万トン前後の備蓄から減らされまして、現在百万トンでございます。ホルムズ海峡封鎖など、従来は想定していなかったリスクが現実の政策課題となった今こそ、米の政府備蓄を積み増すべきではないかと思いますが、農林水産大臣の御見解を伺います。
○鈴木国務大臣 お答え申し上げます。
米は、石油と違いまして、国内で自給できる穀物でありまして、近年の主食用米の生産量が約七百万トンあり、また、端境期に当たる六月末段階の民間在庫が、例年百八十万トンから二百万トン程度となっております。
その中で、政府備蓄米の適正水準は、食糧部会にも諮った上で、十年に一度の不作や通常程度の不作が二年連続で続いた場合にも対応可能な水準として、平成十三年当時の需要量九百万トンを前提として、米の基本指針において、百万トン程度としております。
また、木下先生おっしゃるように、世界的な食料安全保障上のリスクも当然高まっている中で、我が国における食料の安定供給を確保する観点から、一昨年、食料供給困難事態対策法を制定をしております。食料が大幅に不足するおそれがある段階より、出荷、販売の調整の要請から、熱量を重視した生産への転換まで、深刻度に応じた措置を取ることができる法的枠組みも整備をしたところであります。
こうした措置と併せつつ、十年に一度の不作や二年連続の不作への対応に加えて、急激な需要増や災害への対応などを考慮し、また、現行の水準でも相応の財政負担が生じていることなども総合的に考慮して、引き続き、百万トン程度の適正備蓄水準を前提とすることが適切だというふうに考えております。
○木下委員 お答えありがとうございます。
では、政府参考人にお伺いいたしますが、一九九三年級の大冷害が、二〇二四年でも二五年でも結構なんですが、発生したとした場合、飼料用米ですとか青刈りトウモロコシですとか牧草などについてどの程度の減収が生じたと思われるのか、もし推計していらっしゃるとすれば、その結果をお示しいただきたいと思います。それから、現在の飼料穀物、百万トンの備蓄で十分に対応だったのかもお示しください。答弁、簡潔にお願いいたします。
○長井政府参考人 お答えいたします。
一九九三年における水稲の作況単収指数が七五であった一方で、飼料作物の単収は、前年度と比べまして、牧草は約九四%、青刈りトウモロコシは約七八%となったところでございます。
また、当時との比較ということで、可能なデータで、二〇二四年度の推計をしたところ、仮に、飼料のうち粗飼料につきましては、牧草、青刈りトウモロコシはそれぞれ当時と同じ程度の収穫量が減少し、また、当時ほぼ作付のなかった稲WCSは夏作の青刈りトウモロコシ並みに減少すると仮定した場合には、減少量は約三十一万TDNトンとなりまして、これは、輸入を含みます粗飼料の供給量に対しまして約六%不足する程度と推計されまして、この減収分につきましては、例えば、前年以前の在庫の活用でありますとか、裏作でありますとか、刈取り回数の増加、輸入による手当てなどにより、必要量は確保可能と考えております。
また、飼料のうち濃厚飼料となる飼料用米につきましては、一九九三年の水稲と同じ程度の収穫量が減少するというふうに仮定した場合には、減少量は約十一万TDNトンとなりますが、これは、輸入を含む濃厚飼料の供給量に対しまして約〇・六%の不足ということでありますので、これにつきましては、必要に応じ飼料穀物の輸入量を増やすことなどにより、必要量は確保可能であると考えております。
○木下委員 お答えありがとうございます。
後で計算式、いただくようにお願いいたします。
続いて、南海トラフの対応に入りますが、南海トラフ巨大地震が発生した場合、米、飼料穀物を生産する水田ですとか、米の乾燥施設、農機具用の倉庫、水利施設、そういったものに様々な被害が生じると思います。
それで、ここは仮定ですけれども、宮崎などはお米の収穫が早いので、収穫前の七月に最大規模の想定の地震が発生した場合に、南海トラフ地震の被災地全体で米や飼料穀物がどの程度の減収になるかについて、推計をお示しいただきたいと思います。
○山口政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘の想定でございますが、南海トラフ津波避難対策特別強化地域内の全ての市町村における米の生産量は、約二十九万トン程度となってございます。あと、飼料穀物というのがどのようなものを対象にするのかというのはありますが、例えば飼料用米の生産量で見ますと約二万トン程度ということになりますので、被害の程度とかにもよりますが、この地域における米あるいは飼料用米の生産でいうと、三十一万トン程度、最大で影響が出るものと考えております。
○木下委員 お答えありがとうございます。
津波の浸水地域とそれから水田とを重ね合わせると計算できると思いますので、後でで結構ですので、この推計、恐らく何十ページにもわたる資料だと思いますが、後でいただければと思います。
次の質問に入ります。
南海トラフ地震が発生した場合、これは私の考えですけれども、民間備蓄の二十万トン程度では足りなくて、恐らく速やかに国家備蓄の放出が必要となるのではないかと考えております。
現在、政府備蓄は東北地方に偏在しているとの指摘もありますが、それでは被災地への速やかな対応もできませんし、また、昨年のように備蓄の放出に数か月もかかるということも許されないと思っております。
昨年の反省を踏まえて、政府備蓄をどう分散させるのか、そして、放出を速やかに行うことについてどのような改善策を講じているのかを簡潔にお示しください。
○鈴木国務大臣 委員御指摘のとおり、政府備蓄につきましては、備蓄米に関する意見交換会などで有識者の皆様からも、政府備蓄米の倉庫の偏在、そして配送手配の個別対応、出庫前の品質確認といった課題から供給に時間を要したとの御意見をいただいたところであります。
今の御指摘の、今後、南海トラフなど様々な災害が当然想定をされますので、そういったこともよく踏まえて、どんな事態にもしっかりと対応できるような運用改善はさせていただきたいと思います。
○木下委員 お答えありがとうございます。
ここを具体的に変えていかないと、南海トラフ地震が発生した場合でも困っている方を救うことはできないと思いますので、是非具体的な検討を進めていただくようにお願いいたします。
最後の質問でございます。
今回の法改正が可決されたとした場合、政府は、民間の在庫量ですとか米の消費の状況をこれまでよりもはるかに詳細に、かつリアルタイムで把握することが可能となると思います。そして、米の生産量の調査もこれまで以上に詳細に行うということですので、これを天候のデータと組み合わせれば、今年は米がどうも足りなさそうだとか、かなり余りそうだとか、そういったことがこれまで以上に早く判断ができるのではないかと思います。
そうなると、例えば今年はどうも米が足りなさそうだという判断がある場合に、米の価格が上昇し始めた時点で民間に放出をお願いすることになるのではないかと思っておりますが、これは、米の値段が上がり始めたときに民間企業として米の値段を下げる措置をやるということで、本来の、企業の利益を取るというところに相反するわけであります。逸失利益を政府が補填する仕組みが講じられていればいいのですが、この計算は非常に難しいと思います。
このようなことを考えると、民間備蓄制度は、理屈の上では、価格上昇局面で速やかに備蓄放出ということが言えると思いますが、しかし、現実にはなかなか、自分の利益を減らすようなことをするということは難しいと思いますので、むしろ、政府が二十万トン程度の回転備蓄を持って必要時に速やかに備蓄を放出するという制度とした方が確実ではないかと思うんですね。
そして、先ほど申し上げましたが、一九九三年級の不作と南海トラフの地震、これが重なれば、現在の国家備蓄制度では全く対応できないと思います。
今必要なのは、政府備蓄を減らして民間備蓄制度を導入することではなく、原油の備蓄制度のように、最悪の事態でも国民の命を守れるような政府の備蓄体制の強化ではないかと思いますが、改めて大臣の御見解をお伺いいたします。
○鈴木国務大臣 先生からも御指摘のとおり、まず、政府備蓄の運用の改善はしっかりとやらせていただきます。ただ、その上でも、政府備蓄は、運用改善を経たとしてもなお入札契約の手続等が必要となることから、民間事業者の商流を活用することにより、機動性を向上させ、迅速に供給していく必要があるというふうに考えております。
このため、政府備蓄を補完するものとして民間備蓄を位置づけることといたしましたし、あわせて、実効性をやはり担保しなければなりませんので、民間備蓄事業者には売渡しの要請、勧告、命令、公表を措置し、命令を受けた者が命令に従わないときには、罰則として、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に加えて、法人重科として一億円以下の罰金を適用することとしております。
いずれにしても、どのような事態でも、棚に米が並ばないということはもう生じさせないということで取組をさせていただきます。
○木下委員 時間となりましたので質問を終わりたいと思いますが、特に南海トラフ地震が起きたときの被害想定、できるだけ精密にしていただくようにお願いをいたします。恐らく水利施設はかなり傷みますし、乾燥施設も倒壊したり、いろいろなことが考えられると思います。そのときに一九九三年級の不作が来ないという保証はどこにもありませんので、そういったときにも対応できる備蓄制度の構築を是非お願いいたしまして、質問を終わりとさせていただきます。
ありがとうございました。