2026/06/02 / 衆議院 / 農林水産委員会

木下敏之氏 農林水産委員会 質疑

2026-06-02 農林水産委員会 第12号

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この質疑の要点

質問の要旨

  • 政府備蓄米の放出や買戻しを、価格安定と安定供給にどうつなげるのか?

政府答弁

  • 政府側は、備蓄米の放出方法、流通状況、買戻しを含む制度運用を説明。

残った争点

  • 備蓄機能を維持しながら、市場への供給効果をどのように検証するかが残る論点。

発言の流れ

政府備蓄米の運用

11発言
質問 木下敏之 参政党

○木下委員 参政党の木下敏之でございます。
 本日も質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 今回は、お米の備蓄について伺いたいと思います。
 戦後最悪の不作は、一九九三年でございました。作況指数は七四で、タイ米を中心に二百万トン以上を緊急輸入したわけでございます。このような大不作をきっかけにして始まったお米の国家備蓄ですが、現在の備蓄は、十年に一度程度の不作に対応できる水準となっているわけでございます。
 今、皆さんのお手元に資料を一枚配付してもらっておりますが、一九二六年から二〇二五年までの百年間の作況単収指数の推移、そして、下の段の方は、過去百年と、それから一九四六年以降の過去八十年の間で作況が悪かった順に上位十年分をまとめております。
 この八十年間で作況指数が九〇を切ったことが四回ございまして、また、戦後だけでも、一九五三年、五四年のように、二年連続して不作が続いたケースもございます。そして、過去に遡れば、江戸時代の大飢饉は、四年から五年、天候の不順、天候の悪化が続いたケースが大部分でございまして、本当に現在のように米の消費の一・五か月分程度の備蓄で大丈夫なのかと思います。
 備蓄が、コストではなく、国家の責任で行う保険であることを証明したよい事例がございます。それが今回の原油の国家備蓄、その放出でございます。
 一九七〇年代のオイルショックに対応して、一九七八年から原油の国家備蓄が始まりまして、現在では国内消費の八か月分の備蓄があるわけであります、そして今回、五十年たって初めてその効果が発揮されたわけでございます。私の推計では、現在価値に直せば、五十年間で十兆円を超える予算を投入していることになると思いますが、この備蓄がお米のように国内消費の一・五か月分しかなかったら、一体、今、日本はどうなっていたのかと思うと、ぞっとするわけでございます。
 そして、ほかの省庁ですが、水害や津波については、国土交通省は、百年ではなく、千年に一度の規模を想定してインフラを整備するような方針に変わっております。
 ところが、米の備蓄だけは、当初の二百万トン前後の備蓄から減らされまして、現在百万トンでございます。ホルムズ海峡封鎖など、従来は想定していなかったリスクが現実の政策課題となった今こそ、米の政府備蓄を積み増すべきではないかと思いますが、農林水産大臣の御見解を伺います。

公式会議録の該当発言
答弁 鈴木憲和 自由民主党・無所属の会 / 農林水産大臣

○鈴木国務大臣 お答え申し上げます。
 米は、石油と違いまして、国内で自給できる穀物でありまして、近年の主食用米の生産量が約七百万トンあり、また、端境期に当たる六月末段階の民間在庫が、例年百八十万トンから二百万トン程度となっております。
 その中で、政府備蓄米の適正水準は、食糧部会にも諮った上で、十年に一度の不作や通常程度の不作が二年連続で続いた場合にも対応可能な水準として、平成十三年当時の需要量九百万トンを前提として、米の基本指針において、百万トン程度としております。
 また、木下先生おっしゃるように、世界的な食料安全保障上のリスクも当然高まっている中で、我が国における食料の安定供給を確保する観点から、一昨年、食料供給困難事態対策法を制定をしております。食料が大幅に不足するおそれがある段階より、出荷、販売の調整の要請から、熱量を重視した生産への転換まで、深刻度に応じた措置を取ることができる法的枠組みも整備をしたところであります。
 こうした措置と併せつつ、十年に一度の不作や二年連続の不作への対応に加えて、急激な需要増や災害への対応などを考慮し、また、現行の水準でも相応の財政負担が生じていることなども総合的に考慮して、引き続き、百万トン程度の適正備蓄水準を前提とすることが適切だというふうに考えております。

公式会議録の該当発言
答弁 長井俊彦 農林水産省畜産局長

○長井政府参考人 お答えいたします。
 一九九三年における水稲の作況単収指数が七五であった一方で、飼料作物の単収は、前年度と比べまして、牧草は約九四%、青刈りトウモロコシは約七八%となったところでございます。
 また、当時との比較ということで、可能なデータで、二〇二四年度の推計をしたところ、仮に、飼料のうち粗飼料につきましては、牧草、青刈りトウモロコシはそれぞれ当時と同じ程度の収穫量が減少し、また、当時ほぼ作付のなかった稲WCSは夏作の青刈りトウモロコシ並みに減少すると仮定した場合には、減少量は約三十一万TDNトンとなりまして、これは、輸入を含みます粗飼料の供給量に対しまして約六%不足する程度と推計されまして、この減収分につきましては、例えば、前年以前の在庫の活用でありますとか、裏作でありますとか、刈取り回数の増加、輸入による手当てなどにより、必要量は確保可能と考えております。
 また、飼料のうち濃厚飼料となる飼料用米につきましては、一九九三年の水稲と同じ程度の収穫量が減少するというふうに仮定した場合には、減少量は約十一万TDNトンとなりますが、これは、輸入を含む濃厚飼料の供給量に対しまして約〇・六%の不足ということでありますので、これにつきましては、必要に応じ飼料穀物の輸入量を増やすことなどにより、必要量は確保可能であると考えております。

公式会議録の該当発言
答弁 山口靖 農林水産省農産局長

○山口政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘の想定でございますが、南海トラフ津波避難対策特別強化地域内の全ての市町村における米の生産量は、約二十九万トン程度となってございます。あと、飼料穀物というのがどのようなものを対象にするのかというのはありますが、例えば飼料用米の生産量で見ますと約二万トン程度ということになりますので、被害の程度とかにもよりますが、この地域における米あるいは飼料用米の生産でいうと、三十一万トン程度、最大で影響が出るものと考えております。

公式会議録の該当発言
答弁 鈴木憲和 自由民主党・無所属の会 / 農林水産大臣

○鈴木国務大臣 委員御指摘のとおり、政府備蓄につきましては、備蓄米に関する意見交換会などで有識者の皆様からも、政府備蓄米の倉庫の偏在、そして配送手配の個別対応、出庫前の品質確認といった課題から供給に時間を要したとの御意見をいただいたところであります。
 今の御指摘の、今後、南海トラフなど様々な災害が当然想定をされますので、そういったこともよく踏まえて、どんな事態にもしっかりと対応できるような運用改善はさせていただきたいと思います。

公式会議録の該当発言
答弁 鈴木憲和 自由民主党・無所属の会 / 農林水産大臣

○鈴木国務大臣 先生からも御指摘のとおり、まず、政府備蓄の運用の改善はしっかりとやらせていただきます。ただ、その上でも、政府備蓄は、運用改善を経たとしてもなお入札契約の手続等が必要となることから、民間事業者の商流を活用することにより、機動性を向上させ、迅速に供給していく必要があるというふうに考えております。
 このため、政府備蓄を補完するものとして民間備蓄を位置づけることといたしましたし、あわせて、実効性をやはり担保しなければなりませんので、民間備蓄事業者には売渡しの要請、勧告、命令、公表を措置し、命令を受けた者が命令に従わないときには、罰則として、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に加えて、法人重科として一億円以下の罰金を適用することとしております。
 いずれにしても、どのような事態でも、棚に米が並ばないということはもう生じさせないということで取組をさせていただきます。

公式会議録の該当発言