2026/06/09 / 衆議院 / 農林水産委員会

山崎正恭氏 農林水産委員会 質疑

2026-06-09 農林水産委員会 第13号

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この質疑の要点

質問の要旨

  • コメの需給と価格を安定させるため、政府はどのように対応するのか?
  • コメ生産を継続できるよう、生産コストと農家所得をどう支えるのか?
  • 政府備蓄米の放出や買戻しを、価格安定と安定供給にどうつなげるのか?

政府答弁

  • 政府側は、需給見通しや価格動向を踏まえた対応方針を説明。
  • 政府側は、生産コストや経営状況を踏まえた支援と制度の考え方を説明。
  • 政府側は、備蓄米の放出方法、流通状況、買戻しを含む制度運用を説明。

残った争点

  • 消費者が購入しやすい価格と、生産を継続できる価格をどう両立するかが確認点。
  • 担い手が再生産できる所得を確保し、持続的な生産へつなげられるかが確認点。
  • 備蓄機能を維持しながら、市場への供給効果をどのように検証するかが残る論点。

発言の流れ

導入・その他の質疑

3発言
質問 山崎正恭 中道改革連合・無所属

○山崎委員 中道改革連合の山崎正恭です。
 久々の農水委員会での質問になります。このような機会を与えていただきまして、大変にありがとうございます。
 貴重なお時間ですので、早速質問に入りたいと思います。
 大臣、済みません。少し質問の順番を入れ替えさせていただきまして、行きたいと思います。
 まず初めに、食料システム法の施行に伴い、米のコスト指標が公表されましたが、農水省が令和八年三月に公表した米のコスト指標では、生産原価から、副産物価額として、玄米一キログラム当たり十五・七円が差し引かれています。この副産物、すなわちくず米等は、精米過程で発生し、飼料や米菓等に転用される収益として控除されています。
 収益が生産者に帰属するのであれば、差引きは理解できます。ただ、副産物価額の差引きは、集荷形態によって生産者への帰属が異なっているのではないでしょうか。そうであるならば、一律に控除されるのは、コスト指標の公正性に問題が出てきます。
 例えば、大規模集荷地域では、フレコンバッグによるトンバッグ集荷が主体であり、脱穀、乾燥は、集荷、卸売事業者が総量管理の下で行っています。この場合、副産物の処理主体は集荷、卸売側となり、その収益が生産者に還元されているかどうかは、事業所ごとに不明確、あるいは生産者には届いていないケースがあるのではないかという声があります。
 そこで、本差引き額の算定に当たり、袋集荷とトンバッグ集荷とで副産物の帰属先が異なる実態を、集荷形態別に確認した上で設定されているのでしょうか。もし集荷形態の違いを考慮せず一律に控除しているとすれば、トンバッグ集荷が主体の産地の生産者は、受け取れない収益を差し引かれた不当に低いコスト指標を押しつけられることになってしまいますが、実態はどうなのか、お伺いします。

公式会議録の該当発言
答弁 山口靖 農林水産省農産局長

○山口政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘の米のコスト指標でございますが、これは生産者の団体から小売の団体までの方々が意見を交換する中で設定されたものでございます。
 その中で、米のコストの指標の策定に当たって、米の生産に係る費用の実態につきましては、農林水産省の生産費統計における全算入生産費を活用しようということで合意がなされたというふうに承知をしております。
 この全算入の生産費ですが、米の生産費は、稲作経営における主産物、主食用に供される米の生産費を調査するものでございますので、米の生産に当たってふるい下米ですとか稲わらなども発生しますから、主産物の生産費は副産物の生産に要した費用を含めずに算出する必要があるということで、食用に供される米の生産に係る費用を集計する目的から、副産物価額を差し引いて算出するということになってございます。
 我々も調べたところ、生産費調査において、ほとんどの経営体はふるい下米などの副産物の取引額を計上しているという実態にございますので、御指摘のような副産物収入を受け取れない生産者というのはごく僅かになっているのではないかというふうに考えております。
 こうした実態から、生産者団体の皆さん始め、小売の団体までの皆さんで合意して、コスト指標を作成するに当たって全算入生産費を用いたということにつきましては、十分合理的な考えなのではないかというふうに承知しております。

公式会議録の該当発言

米価と需給

1発言
答弁 鈴木憲和 自由民主党・無所属の会 / 農林水産大臣

○鈴木国務大臣 お答え申し上げます。
 まず、今、山崎先生がおっしゃる国交省と米の世界を比べるというのは、全く私は違うというふうに思いますね。なぜかというと、国交省は国が事業の発注主体ですから、公共事業ですから、その点と、米は自由な流通の中で価格形成されるわけなので、そこは一緒のものとして比較をされるというのはちょっと違うかなと思います。
 その上で、米の価格は、需給バランスなど、民間の取引環境の中で決まっていくものであります。国が利潤の具体的な水準に言及することは、価格の具体的な基準を示すことにつながり、自由な取引を阻害するおそれがあるため、適当ではありません。
 その上で、食料システム法に基づくコスト指標は、持続的な供給に要する費用を示すことにより、生産から販売に至る各段階のコストが消費者にも明確になるという側面もあります。
 なお、指標作成に当たり、集荷、卸売、小売の各段階のコストについては、公的な統計データは存在しませんので、国が行うコスト調査の結果を使用することとして関係者間で合意をされたものと承知をしております。
 農林水産省としては、流通セクターも含め、コスト指標が適切に活用されるよう、分かりやすいガイドブックなども作成し、説明会で広く周知してきたところでありまして、今後も、関係者からの相談に丁寧に対応するとともに、関係者の間で取引協議に応じないなどの事案が確認された場合には、食料システム法に基づき、指導助言や改善に向けた勧告を行うなど、取引の適正化にしっかりと取り組んでまいります。

公式会議録の該当発言

生産者の経営と所得

2発言
答弁 鈴木憲和 自由民主党・無所属の会 / 農林水産大臣

○鈴木国務大臣 野菜のコスト指標作成につきましては、生産から販売に至る関係者間で、まずは供給量の多いバレイショ、タマネギ、キャベツから検討が進められています。
 今後、関係者で組成をされるコスト指標作成等団体において、これら三品目のコスト指標の作成の方法や活用方法に関する議論が進められることとなります。その課題などを踏まえながら、品目の拡大についても関係者間で検討が行われていくものと考えております。
 農林水産省としては、これら関係者による議論が着実に進むよう、引き続き後押ししてまいります。
 また、農林水産大臣として定めました、食品等の持続的な供給を実現するための食品等の取引の適正化に関する基本的な方針には、コスト指標の作成後も費用の急激な変化など特段の事情が生じた場合には関係者間の判断により随時改定することも可能とする旨、明記をしております。これに即して、資材費などの変動なども踏まえた改定も必要に応じて行われていくものと考えております。
 同時に、一回コスト指標をこの品目はこうですと定めたとしても、当然様々なものが、特にガソリン価格なんというのは結構値動きが激しいですから、そういったものの状況というのは当然、その取引の間に、その指標は指標としてあるんだけれども、今現状としてこうですよねということで、取引の条件としては当然考慮されるべきものだというふうに考えます。

公式会議録の該当発言

政府備蓄米の運用

5発言
答弁 鈴木憲和 自由民主党・無所属の会 / 農林水産大臣

○鈴木国務大臣 お答え申し上げます。
 米の価格は、需給バランスなど、民間の取引環境の中で決まっていくものでありまして、需給の安定を図ることを通じて、結果として価格の安定化が図られることが基本であるというふうに考えております。
 ですので、備蓄米の放出の基準については、価格高騰時ではなくて、供給量が不足をしている場合に売り渡すとの基本的な考え方に立ち、届出事業者からの在庫量や出荷、販売量などの定期報告などに基づき供給量の不足を把握した場合には、機動的に備蓄米を供給してまいります。
 不足をしているわけですから、実際問題としては、価格が高騰しているという状況は当然あり得ると思いますが、是非御理解をいただきたいのは、価格を直接抑制することを目的に備蓄を放出するということは我々は一切いたしません。
 また、その際の民間備蓄の価格につきましては、先ほど述べたとおり、民間の取引環境の中で決まるものですが、ただ、米の安定供給を図るという民間備蓄の趣旨を踏まえて、合理的でない価格で民間備蓄が売り渡されるという事態は防ぐ必要があろうかというふうに考えております。
 今現在公募中の民間備蓄に係る実証事業を行いますので、これらも踏まえてしっかり検討させていただきます。

公式会議録の該当発言
答弁 根本幸典 自由民主党・無所属の会 / 農林水産副大臣

○根本副大臣 お答え申し上げます。
 現在、原油やナフサ由来の石油製品については、備蓄の放出や代替調達を通じて、年度を越えて供給継続が可能となっておりますが、供給見通しの共有不足や実績以上の発注などで、農業現場からも希望する数量が調達できないといった声をお伺いをしているところであります。
 これまで、農林水産省では、相談窓口に提供いただいた情報などに基づき対応してきたところでありますが、今月二日に開催された中東情勢に関する関係閣僚会議において、高市総理から、園芸農家の農業資材について、流通過程の実態把握などに重点的に取り組むよう御指示を受け、地方農政局などを通じて農業現場から直接お話を伺うことで、一つ一つ問題解決を更に進めているところであります。
 また、資材価格の上昇に対しては、これまでも、政府として、燃料油価格の高騰に対する緊急的激変緩和措置が行われ、燃料を使用する全ての農業者の皆様の負担軽減が図られてきたところであります。
 加えて、農林水産省といたしましては、施設園芸で使用する燃油の価格の高騰に対し、施設園芸農家などの経営への影響を緩和するための補填金を交付する制度を講じており、中東情勢以降、価格急騰時に補填額を増加する急騰特例を発動しているほか、資材全般の上昇については、農林漁業者が日本政策金融公庫から借り入れる農林漁業セーフティネット資金などに対する金利負担軽減の措置も講じているところであります。
 引き続き、農業者の皆様が安心して経営継続していただけるよう、全力で取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 以上です。

公式会議録の該当発言