質問の要旨
- 法改正で増やす公務員予備自衛官等の目標人数と予算規模をどう見込むのか?
- 雇用企業給付金を、予備自衛官・予備自衛官補の雇用主にも拡大する考えはあるか?
- 予備自衛官を雇用する企業への入札加点制度を、実効性のある運用にできるのか?
- 経済団体への働きかけを通じて、予備自衛官制度の認知をどう広げるのか?
- Eラーニングによる訓練にも手当を支給し、リモート対応を広げられないか?
政府答弁
- 職務や招集の実態は様々で、増加目標や予算規模を一概に示すことは困難との見解が示された。
- 訓練日数の違いから現状は対象外だが、雇用企業への支援策は不断に検討する考えが示された。
- 制度の利用実績や出頭状況を踏まえ、対象案件を含む運用を検討する考えが示された。
- 経済団体の機関誌や関係者との意見交換を通じ、企業への周知を進める方針が示された。
- 訓練内容や招集制度との関係を踏まえて、Eラーニングの扱いを検討する考えが示された。
残った争点
- 施行後の効果を検証できる目標や指標をどのように設定するか。
- 企業の負担を踏まえ、給付対象や支援水準を見直す必要があるか。
- 加点を実際の訓練出頭に結びつけ、対象となる入札を広げられるか。
- 経済団体との連携を、企業の制度理解と具体的な協力へつなげられるか。
- 訓練の質を維持しながら、参加しやすい受講方法と処遇を整えられるか。
発言の流れ
予備自衛官と人的基盤
13発言○山田(瑛)委員 チームみらいの山田瑛理です。どうぞよろしくお願いいたします。
本日は、本法案の効果を最大化するために、運営面の制度設計面で幾つか確認と、また御提案などもさせていただければと思います。お願いいたします。
まず、本法案の効果予測と目標設定について伺います。
現在、予備自衛官などのうち、公務員予備自衛官等、こちらの数値もこの委員会でも出てまいりましたが、国家公務員約三百五十名、地方公務員約一千百十名と、合わせて大体一千五百名程度と承知をしております。
今回の法案によってこの層の参入障壁が下がることが期待されるわけですけれども、事前に伺ったところ、施行に伴った個別の数値目標は設定はしておらず、また、予算規模の試算も現時点ではまだ行っていないとの御回答でございました。あくまでも世間一般的な感覚で申し上げますけれども、やはり、せっかく法律を作って施策を打つわけですから、何を目指してどこまで届かせたいのかという到達点が見えていないと、施行後の効果検証、次の一手の判断もなかなかできづらいというふうに考えております。
本法案の施行による公務員予備自衛官等の増加について、確定値でなくとも、施行後数年を見据えた目標観や見込み、そして必要となる予算の概算について、政府としてはどのようにお考えなのか、お聞かせいただければと思います。
○廣瀬政府参考人 お答えいたします。
先生御指摘のとおり、予備自衛官等の兼業を行う国家公務員及び地方公務員は、令和六年度末時点で約千五百名となっております。
委員御指摘の、予備自衛官等の兼業を行う国家公務員等の増加人数については、勤務先や個々の職員が担う職務の内容や実態は様々であること、予算規模については、災害等で招集されるかについてあらかじめ予見することは困難であることなど、それぞれ様々な要因に左右されるものであり、一概に数値目標の設定や予算規模の試算を行うことは困難であると考えております。
また、本法律案においては、予備自衛官等の職務の円滑な遂行を図るため、国家公務員法等の特例の措置を定め、招集に応じやすい環境を整備することとしています。これにより、国家公務員等にとって、予備自衛官等の職務に対する意欲の向上や新たな志願のきっかけになることを期待しているものであります。
防衛省としては、一人でも多くの予備自衛官等が招集に応じやすくなり、予備自衛官等の職務の円滑な遂行を図ることができるよう、そのための環境の整備に努めてまいります。
○山田(瑛)委員 ありがとうございました。
あくまでも本当に一般的な感覚としてと申し上げさせていただきますけれども、やはり、何かやることを決めたときには、目標の数値があって、予算があって、そういったふうにしながらやっていくものかなとも思いますので、なかなか予見が難しいという御答弁もありましたけれども、できれば目標観とか、また大まかな予算規模など、もしお示しいただけたらというふうに思っております。これが今後の効果検証の出発点にもなると私は思っておりますので、どうぞ御検討いただければと思います。
充足率の一層の向上のためには、本法案だけでは十分ではないんじゃないかと思ってもございまして、様々な視点でも確認をさせていただきたく、まずは、民間企業や経済界への働きかけについてを伺わせてください。
公務員予備自衛官などの増加と並行して予備自衛官全体の充足率を上げていくためには、民間企業の理解そして協力が不可欠と考えます。この点でお伺いをいたします。
まず、即応予備自衛官の雇用主に支給される雇用企業給付金、月額四万二千五百円、これは予備自衛官、予備自衛官補の雇用主には適用をされていないところです。訓練日数や招集頻度に違いがあることは承知をしております。ただ、予備自衛官を雇用する企業も、訓練期間中の人員のやりくりですとか、また業務の調整という負担があるということは事実でございます。そして、昨今の社会状況を見ていただきますと、特に中小企業にとっては一人が抜けることの影響というのは大変に大きいわけでございます。
また、昨年九月の手当の引上げ、任期満了時の勤続報奨金の新設という処遇の改善策もされていらっしゃいます。それによって志願者数は増加の予想と事前に伺っております。やはり、こういった拡充は一定程度効果的だと考えられます。
予備自衛官、予備自衛官補の雇用主への給付金対象の拡大について、現時点では検討の段階には入っていないということは伺っておりますけれども、充足率向上のために、将来的に検討にのせる考えはないのか、御見解を伺わせてください。
○廣瀬政府参考人 お答えいたします。
即応予備自衛官雇用企業給付金は、即応予備自衛官が、年間三十日間の訓練招集に加え災害等の招集にも常時応じることが求められていることを踏まえ、雇用企業において、即応予備自衛官がいつでも支障なく出頭できる環境を整えていただくため、当該即応予備自衛官を雇用する企業等に対して支給しているものでございます。一方、予備自衛官の訓練招集は現在年間五日間程度であり、この範囲であれば、企業等において業務調整により対応可能であると考えられることから、給付制度を設けてはおりません。
その上で、予備自衛官は、即応予備自衛官と同じく、有事や災害時において自衛官として重要な役割を担う存在であり、その確保及び継続任用のためには、雇用主を含む社会全体の理解と協力が不可欠であると認識をしております。防衛省としては、予備自衛官等の訓練や雇用環境の変化、企業側の負担や制度全体のバランスなどに留意しながら、雇用企業への支援施策の在り方については不断に検討してまいります。
○山田(瑛)委員 ありがとうございます。
この公共性に共感をしてくださっている企業の善意、本当にありがたいなと思っておりますけれども、昨今、そしてさっきも申し上げました、特に中小企業、本当に、時間をどこに割くかとシビアな選択がなされている時代でございますので、善意だけに頼らずに、制度としても企業を支える設計など、是非こちらを御検討いただければというふうにお願いをさせていただきます。
次に、予備自衛官等協力事業者に対する入札加点制度について伺わせてください。吉田委員からも質疑はございましたが、少しまた違った観点でもお聞きをできればと思っております。
平成二十七年から実施され、今は年間十数件程度の活用実績と伺っております。件数としては少ないと感じますけれども、一方では認知度不足があるのかとも思いますので、それについては次の質問で触れさせていただきます。
私が気になっておりますのは、運用の実効性の部分になります。加点があるということは、入札を希望する事業者にとって、社員に予備自衛官等になってもらうとインセンティブになり得ます。これ自体はよいことです。ただ、加点目的だけで実際の訓練出頭には協力していないというケースが生じていないのかというのが懸念でございます。
加点を受けた事業所の予備自衛官の出頭実績を把握する仕組みは現状どうなっているのか。また、出頭実績と連動した評価への見直しについて検討の余地はあるのか。さらに、こちらは吉田委員からの質疑、答弁と重複する点があるかもしれませんが、現状はほぼ建設業に限定されているこの加点対象を防衛省関連のほかの入札案件に拡大することについての御見解も併せて伺います。
○廣瀬政府参考人 お答えいたします。
防衛省では、平成二十七年度より総合評価落札方式における予備自衛官又は即応予備自衛官の現場配置による加点評価措置を行っております。具体的には、防衛省が発注する建設工事の入札手続で、工事現場となる駐屯地等に勤務経験のある予備自衛官等を現場配置する競争参加者について、総合評価落札方式で加点評価を行うこととしております。
この点、当該制度については、退職自衛官である予備自衛官等が部隊の運用等に関する知見を生かし、駐屯地等との調整を円滑に進めることにより、工事の品質の確保に寄与するものと考えております。
その上で、防衛省として、委員御指摘のようなケースが生じている事実は把握しておらず、当該制度は適切に運用されているものと認識をしております。
いずれにしても、防衛省としては、既存の制度の状況や企業側のニーズも踏まえ、様々な施策と組み合わせ、予備自衛官等の雇用企業に対するインセンティブの方策について検討してまいります。
○山田(瑛)委員 ありがとうございました。
実態把握はしてくださっているということで確認をさせていただきました。まだまだ年間十数件程度ということで、せっかくのこういった制度でございますから、また認知が広がるようにとも、是非引き続きお取り組みいただければとも思っております。
三点目です。こちらは大臣にお伺いをさせてください。
民間で副業の解禁が進む中で、予備自衛官は、社会貢献性も収入もある、副業の選択肢にもなり得ると考えております。ところが、こちらも今日の委員会で出てきた数字でございますが、一万人対象のアンケート、予備自衛官を知らないと答えた方がまだ約六割に上っていると伺っています。ただ、これは認知度向上の余地がまだまだ非常に大きいということでもあります。本法案第七条、「予備自衛官等の職務の重要性に対する国民の関心と理解を深めるよう努めなければならない。」として規定をされていますので、今後、是非御尽力をいただきたいところです。
その上で、例えば経済四団体など、経済界への働きかけはこれまで特に行っていないと伺っております。労使のトップマターとして取り上げてもらうことで、個別企業への浸透は格段に早まる可能性があるのではないかとも思っております。大臣の認定制度とかもあったりいたしますので、ここは小泉大臣の巻き込み力に是非とも御期待をさせていただきたいのですが、見解を伺います。
○小泉国務大臣 ありがとうございます。
先生御指摘いただいた経済団体、この皆さんとは、例えば、昨年、経団連及び日本商工会議所に御協力をいただきまして、それぞれの機関誌において予備自衛官等制度に関する記事を掲載いただいて、雇用企業でもある加盟企業などの皆様に広く予備自衛官等制度を周知、広報したところです。
ただ、それで十分かというと、まだまだ一緒にできることはあると思っています。私も、こういう経済界の皆さんとお話をする際に、例えば経済界の中でも自衛官出身の企業の経営者又は幹部の方はいらっしゃいます。そういった方とも、会いましたときは様々な情報提供もさせていただいていますし、また、最近ですと、スタートアップの関係で、やはり大企業の金融機関も含めて御協力をいただかなければ、なかなか防衛産業のエコシステムというのはできていかない。
こういったことについても積極的に意見交換などもさせていただいていますので、引き続き、経済団体、そして幅広い団体と、また産業の皆さんと、周知、広報で積極的な働きかけをしていきたいと思います。
○山田(瑛)委員 ありがとうございました。
とにかく策を講じていただきまして、一人でも多くの方に選択をしてもらえるよう、努力が必要でございます。まだまだ多くやることがあると思いますから、本日の指摘させていただきましたことなども御検討いただきますようにお願いを申し上げます。
次に、訓練のEラーニングについて伺います。ちなみに、ちょっと時間が迫ってまいりますので、少し端折っての質問を、恐縮でございますが。
座学等の科目ですけれども、今、駐屯地に出頭して受講すれば手当の支給がある、ただ、Eラーニングでは支給がされていないということでございました。これは、同じ内容の教育訓練だったら何らかの形での手当の支給を検討すべきかと思っております。そして、民間では、リモートワーク、オンライン研修が当たり前となりましたので、訓練のリモート対応の余地について検証することも一考ではないかと思っております。御見解を伺います。
○廣瀬政府参考人 お答えいたします。
予備自衛官の教育訓練の一部につきましては、Eラーニングを活用し、各自の都合に応じて受講できるようにしております。
一方で、教育訓練招集手当につきましては、防衛省の職員の給与等に関する法律において、教育訓練招集に応じた予備自衛官補に対し、教育訓練招集に応じた期間一日につき支給するものと規定をされております。予備自衛官補が出頭し一定期間教育訓練に従事することを前提として、設計がなされているものでございます。このため、現行制度の下では、出頭を伴わず各自が任意の場所、時間に受講することができるEラーニングにつきましては、教育訓練招集手当の性質上、支給していないところでございます。
近年においては、教育訓練の効率化や多様化の観点から、DX化やリモート方式を活用した訓練の重要性が高まっているものと認識をしており、予備自衛官補に対する教育訓練の在り方について、不断に検討してまいります。
○山田(瑛)委員 ありがとうございます。是非御検討ください。
最後に、地域防災力との連携について、大臣に伺わせてください。
例えば、消防団も今深刻な人手不足に直面をしております。一方、双方の志望者層は、国や地域のためにいざというときに役に立ちたいという志が共通していると感じます。事前に伺ったところ、消防団員に対して予備自衛官への参加を働きかけるとか、例えば予備自衛官に対して消防団への参加を働きかける、いわゆる二刀流の推奨というところはまだ特に行っていないということでした。
少ない人材を奪い合うのではなくて、平時の地域防災活動と有事の予備自衛官機能を一体的に担う人材モデルとして育てていくこと、これは人口減少下のこの国の防災、安全保障にとって必要な視点なのではと思っております。
消防団員との二刀流による地域シナジーの制度設計の検討、そして関係省庁との連携強化について、お考えを伺えればと思います。
○小泉国務大臣 これは大事な視点だと思います。
防衛省では、消防庁と連携をして、全国の地方協力本部において、退職予定自衛官に対し、予備自衛官等の募集だけではなくて、消防団員の募集に関する情報提供をしています。また、令和七年度には、公安職の合同説明会において、予備自衛官等と消防団の募集を目的とした共同のブースを設置するといった取組も行ったところです。
また、私の地元横須賀の話で恐縮ですけれども、横須賀は自衛隊が多く所在をしていますので、例えば、消防団の出初め式の後の懇親会などに行くと、その町内会の付近の自衛隊の隊員も参加をして、そして消防団の訓練を自衛隊の敷地内でやっているという環境なんです。
なので、日頃から接点も多いですから、先生御指摘のとおり、自衛隊と消防団、こういった連携が更に様々な形で進んでいくように、防衛省と消防庁、しっかりと連携をさせたいと思います。
○山田(瑛)委員 ありがとうございます。
予備自衛官の確保は、単に防衛省内の課題ではなくて、人口減少下の日本社会全体で、誰がどの公共的役割を担うかという大きな問いの一部だと考えております。防衛省だけでなく、経済界、消防庁、自治体、そして国民一人一人との理解の促進を是非お進めいただければと思います。
ありがとうございます。